強靭な技巧、格調高い音色、清々しい抒情、円熟を極める至高の音楽
フランスの大巨匠
フィリップ・アントルモン Philippe Entremont
1934年6月フランスのランスで、ピアニストの母、ヴァイオリニスト兼指揮者の父という音楽一家に生まれ、母の手ほどきでピアノを始める。わずか8歳でフランスが誇る大ピアニスト、マルグリット・ロン女史に師事し、さらにパリ音楽院ではジャン・ドワイアンに師事。
16歳でロン・ティボー国際コンクール第5位に入賞し、19歳で再び同コンクール1位なしの第2位を受賞、ピアニストとしての目覚ましいキャリアをスタートさせる。また、18歳にしてカーネギーホール(ニューヨーク)におけるジョリヴェのピアノ協奏曲、リストのピアノ協奏曲第1番の演奏で世界的な注目を集める。
以来、ピアニストとして国際的にトップキャリアを築き上げるとともに、この30年間は指揮者としても活躍。アカデミー室内管、ロイヤル・フィル、スペイン国立管、ローマ聖チェチーリア音楽院管、フランス国立管、イェテボリ、ストックホルム、オスロ、ワルシャワ、N響、KBS響、ウィーン響、ベルゲン・フィル、またフィラデルフィア、サンフランシスコ、デトロイト、ミネソタ、シアトル、セントルイス、ダラス、ピッツバーグ、アトランタ、モントリオールなどの各オーケストラに客演し、トップソリストたちと共演している。
1981年~1986年ニューオリンズ響の音楽監督、その後デンバー響の音楽監督に就任。また2002年までオランダ室内管の首席指揮者を務めた。ウィーン室内管の音楽監督及び首席指揮者を25年間務めた後、現在は同楽団の終身挂冠指揮者、またイスラエル室内管でも音楽監督を経て現在は挂冠指揮者に就任している。
1997年サントドミンゴ音楽祭を創立、芸術監督、同フェスティヴァル・オーケストラの指揮者を務める。2004年10月ミュンヘン響の首席客演指揮者に就任し、またカダケス管の首席客演指揮者も務める。2006年には東京にてスーパーワールドオーケストラを指揮、モーツァルトのピアノ協奏曲を弾き振りした。さらに、ウィーン室内管を率いアメリカで10回、日本で7回のツアー、カダケス管とはアジア諸国でのツアー、また最近ではストラスブール・フィルを率い、スイス、ドイツでのツアーを成功させている。ミュンヘン響の首席客演指揮者、ソリストとしてスペイン、アメリカ、イギリスツアーを行う。 主要レーベルからの多数の録音は多くの賞を受賞。特にレナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルとの録音を始めとし、ピエール・モントゥー指揮ロンドン響とチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、ミュンヘン響とモーツァルトの2つのピアノ協奏曲を弾き振りしリリースしている。またラヴェルのソロ、四手のためのピアノ全作品を収めた録音もリリース。
レジオンドヌール勲章、メリット勲章、フランス芸術文化勲章、オーストリア芸術科学十字勲章を授与。Bel’Arte Foundation of Brussels総裁、またナディア・ブーランジェを引き継ぎ、フォンテーヌブローのアメリカ音楽院のディレクターを務める。
2005年4月~7月にはNHK「スーパーピアノレッスン」の講師を務めた。