クラシックと一言でまとめた時、現代音楽はどんな立ち位置になるでしょうか?
21世紀の音楽はクラシックではない! という方もたくさんいらっしゃると思います。ですが、脈々と続く西洋音楽の中で、ロックやテクノを織り込んだ、”新しいクラシック”が生まれています。
今回ご紹介するのはブライス・デスナー、アメリカが産んだ最先端の作曲家です。
彼が行なっている「インディーロックとクラシックの越境」とは一体なんなのでしょうか?
ブライス・デスナーは
ニューヨーク音楽シーンの庭師だ!
ブライス・デスナー
1976年4月23日生まれ、アメリカ・オハイオ州シンシナティ出身のギタリスト・作曲家。インディー・ロックバンド“The National”のリードギーターであり、同バンドの作曲や演出を行いながら、同じように旺盛にクラシック作曲家です。
インディー・ロックとは、"反・産業"をテーゼとする70年代イギリスが発端の潮流であり、当時のポピュラーミュージックやコマーシャル世の高いロックミュージックと対立して生まれました。"自分たちの"音楽を、より新しい音楽表現をと彼らは求めてゆきました。
デスナーの作風はミニマルミュージックの先駆者スティーヴ・ライヒの系譜に属し、ニューヨークの現代音楽シーンでも異彩を放っています。ポップスとクラシックの垣根を越える彼は、さまざまに枝分かれする西洋音楽を美しく剪定する"庭師"のように見えます。
ブライス・デスナー:トロンボーン5重奏曲の編曲。今回のツアーもこの編成で行う。
今回のコンサートでは、2020年にファンライエンのために作曲されたトロンボーン協奏曲の第一楽章が、アルマカルテットとトロンボーンのために編曲されて演奏されます。
画面越しにデジタルで聴くか、ライヴの中で聴くか。その違いは来た者にしか分からない。