Peter Jablonski

 

Kazune Shimizu

 ©︎Mana Miki

「第九」の真髄はオーケストラでなくピアノにある

【3/13公演】
ペーターヤブロンスキー×清水和音

伝説の二人が揃う奇跡を目撃せよ

世界初共演
2026.3.13 一夜限りの祝祭

【主催者からの緊急のお知らせ:本番まであと4日】

残席限定・S席エリアを
「ペア割(15,000円)」で急遽解放!

二人の巨匠を「満席の熱気」で迎え入れたい。その思いから、急遽残りのS席を利用したペア割枠をご用意しました。
※直前のためお席の選択肢は減っておりますが、A席とほぼ変わらない価格でS席エリアの極上の音響をお約束します。

オーケストラを「裸」にする。

——リストが企てた、88鍵×2による「第九」の再構築。

1. 「色彩」を捨て、「線」を描く。

フランツ・リストは、自身の序文で「私の目的は、知性ある版画家(エングレーヴァー)と同じ水準に立つことである」と記しています。

オーケストラが持つ「音色の多様性(色彩)」をあえて捨て去り、ピアノという単色の楽器で、楽曲の「構造(線)」を浮き彫りにする——。
それは、画家が描いた壮大な油絵を、精緻な銅版画として彫り直すような作業でした。管楽器や弦楽器の響きに埋もれていたベートーヴェンの緻密な設計図が、2台のピアノによって白日の下にさらされます。

2. 産業革命が生んだ「鉄のピアノ」

リストがこの編曲に挑んだ19世紀後半は、重工業の発展とともにピアノが「進化」を遂げた時代でした。木製フレームから強靭な「鉄骨フレーム」へ。
かつてない音量と、7オクターブを超える音域を手に入れたピアノは、もはや家庭用の楽器ではなく、オーケストラと対等に渡り合える「怪物」へと変貌していました。

リストは確信していました。
「ピアノは、オーケストラの全領域を自らのものにできる」

3. 2人のヴィルトゥオーゾが必要な理由

しかし、この「翻訳」は生半可な技術では成立しません。
オーケストラ100人分が奏でる複雑な和声、うねるようなリズム、そして「歓喜の歌」の爆発的なエネルギー。それら全てをたった20本の指で再現するには、極限の身体能力(ヴィルトゥオジティ)が求められます。

ただ楽譜をなぞるだけでは足りない。
スウェーデンの天才・ヤブロンスキーと、日本の重鎮・清水和音。
二人の「指」が限界を超えて交錯する時、私たちは初めて、ベートーヴェンが描こうとした「真の第九」の姿を目撃することになるのです。

なぜ、リストは「第九」をピアノに移したのか?

「ピアノには、オーケストラを再現する力がある」
そう信じたフランツ・リストは、単なるBGMとしての編曲ではなく、ベートーヴェンの魂そのものを88鍵×2に刻み込む作業に没頭しました。

「管弦楽の色彩を捨ててでも、伝えたかったもの」とは何か。
リスト自身の言葉が、この演奏会の真価を物語っています。

資料:リストによる「ベートーヴェン交響曲」序文を読む +

※以下、フランツ・リストによる初版楽譜への序文より抜粋・意訳

ベートーヴェンの名前は芸術において神聖なものだ。彼の交響曲は現在、傑作であると広く認められている。(中略)

近年のピアノの技術と機構の発展により、これまで以上に優れた成果を上げる可能性が開かれた。その和声的表現力の驚異的な発展に伴い、ピアノはあらゆる管弦楽作品をますます自らの領域に取り込もうとしている。

7オクターブに及ぶ音域において、ごくわずかな例外を除き、最も繊細で深遠な音響創造のあらゆる特徴、あらゆる組み合わせ、あらゆる装飾音を再現し得るため、オーケストラに残された優位性は、音色の多様性と圧倒的な音響効果のみとなる――確かに、これらは計り知れない利点ではあるが。

これが、私が着手し今や音楽界に提示するこの作品における私の目的であった。(中略)ベートーヴェンの作品の壮大な輪郭だけでなく、アンサンブルの完成に大きく寄与する無数の細部や小さな特徴までもピアノに移すことに成功したならば、私の時間は有意義に費やされたと言える。

私の目的は達成されたと言える。それは、作品の精神を理解し、それによって偉大な巨匠たちの知識と美への感性の形成に貢献する、知性ある版画家や誠実な翻訳者と同じ水準に立つことである。

「ベートーヴェンはロックだ。人間のネガティヴな部分も全て曝け出した彼の音楽の美しさは、リストが心から思っていただろう、まさに人類の遺産なんだ。」−−清水和音

「今回、リストが2台ピアノのために編曲したベートーヴェンの傑作に、二人で挑む。この壮大な作品が秘めている美しさ、そして圧倒的なエネルギーを、清水氏と共に深く掘り下げていける時間は、まさに贅沢なひとときとなるだろう。 この挑戦を通じて、皆様と一緒に音楽の真髄に触れられることを楽しみにしています。」
-- ペーター・ヤブロンスキー

' It will be a true pleasure and privilege to play this masterpiece by Beethoven, arranged for two pianos by Liszt. I am looking forward to exploring all the beauty and power of this tremendous work together with Mr Shimizu.'
-- Peter Jablonsuki

ペーター・ヤブロンスキー Peter Jablonski

グラモフォン誌に「成熟した想像力豊かな芸術性の真っただ中にいる」と評される、スウェーデン出身の名ピアニスト。オンディーヌからのロナルド・スティーブンソン作品集が高く評価され、2025年スウェーデン・グラミー賞を受賞。2025/26年シーズンには日本・韓国ツアーをはじめ、NOSPRとの協演による協奏曲初演や新譜発売を予定。17歳でアバドとアシュケナージに見出され、デッカと契約し国際的なキャリアを開始。ベルリン・ドイツ響、N響、フィラデルフィア管など世界の主要オーケストラと共演。ムジークフェライン、サントリーホール、コンセルトヘボウなど一流ホールに出演。ベートーヴェンから現代音楽まで幅広いレパートリーを誇る。現代作曲家との協働や初演活動にも積極的に取り組む。エジソン賞、グラモフォン賞、オルフェウス賞など受賞歴多数。スウェーデン王立音楽アカデミー会員で、今後シマノフスキ作品全集録音を予定。

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清水 和音 Kazune Shimizu

完璧な技巧と美しい弱音、豊かな音楽性を兼ね備えたピアニスト。ジュネーヴ音楽院でルイ・ヒルトブランに師事し、1981年ロン=ティボー国際コンクールで優勝。国内外の著名オーケストラや指揮者と共演し、室内楽でも高い信頼を得ている。1995~97年に行ったベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全32曲演奏会は高く評価され、録音も発売された。ソニー、オクタヴィアなどから多数のCDを発表し、各誌で絶賛。2011年にはラフマニノフの協奏曲全曲一挙演奏という快挙を達成。2014~18年にリサイタル・シリーズ「ピアノ主義」を開催。2021年にはデビュー40周年記念「ピアノの祭典」を開催し大きな反響を呼んだ。現在も協奏曲・室内楽・リサイタルで精力的に活動。桐朋学園大学・大学院教授。

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横浜・青葉台。フィリアホールで、極上の音楽体験を

2026年3月13日(金)19:30開演(19:00開場)
フィリアホール(横浜市青葉区民文化センター)

※休憩なし・公演時間 約70分

プログラム

ベートーヴェン:交響曲 第9番ニ短調 Op. 125 (リスト編曲による2台ピアノ版)
L.V. Beethoven = F. Liszt:
Symphony No. 9 in D minor, Op. 125 Transcription for Two Pianos

Ⅰ. Allegro ma non troppo e un poco maestoso
Ⅱ. Molto vivace
Ⅲ. Adagio molto e cantabile
Ⅳ. Presto – Allegro assai

「ピアノの第九」ペーター・ヤブロンスキー&清水和音 
「ピアノの第九」ペーター・ヤブロンスキー&清水和音 
「ピアノの第九」ペーター・ヤブロンスキー&清水和音 
「ピアノの第九」ペーター・ヤブロンスキー&清水和音 

「ピアノの第九」ペーター・ヤブロンスキー&清水和音 

9,000 円
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ペーター・ヤブロンスキーについて by 清水和音

「ヤブロンスキーのことは18歳のデビューの時から知ってるよ。天才だなって思ったし、新しい時代のピアニストが出てきたなって、そこから気の合う友人。同じアシュケナージチルドレン。いつも新しいことにチャレンジして、常に進化して、シンパシーを感じる。 ピアノで弾く第九はエンターテインメント的で、聴いていてもじつに楽しいと思う。ピアニストとひとくちに言っても、みんなキャラクターは違うよね。2台ピアノは誰とやっても、キャラクターは違う。だけど、お互いのいいところが合わされば良い演奏になる気がするんだ。」

清水和音について by ペーター・ヤブロンスキー

「清水和音氏とは、1990年代に初めてお会いして以来、長きにわたって友情を育んできました。日本を代表する稀代のピアニストとして、私は常に彼を尊敬し、その背中を追い続けてきたように思います。 そんな彼と初めてステージを共にできることは、私にとってこの上ない喜びなのです。私たちのピアノへの情熱が重なり合う瞬間を、日本のファンの皆様にお届けできることを、今から心待ちにしています。」

 'I have been friends with Mr Shimizu ever since our first meeting in the 1990s, and I had always had a deep respect for this outstanding, iconic Japanese pianist. To play with him for the first time will be very exciting indeed, and I look forward to bringing our love for piano to Japanese audiences.'

神童として知られたペーター・ヤブロンスキーと、日本を代表するピアニストの一人、清水和音の共演は世界初!

ペーター・ヤブロンスキー / ベートーヴェン第九「歓喜の歌」メッセージ

清水和音 デビュー40周年記念 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲「皇帝」 指揮 / 渡邊一正  新日本フィルハーモニー交響楽団

「リスト編曲によるピアノ2台版のベートーヴェン「第九」について」

18世紀後半、ドイツにおいて音楽は宮廷や教会で演奏されるものだった時代から、コンサートホールや家庭で演奏を楽しむ時代へと変わりゆく時代の中で生まれた。重工業が盛んになり、ピアノにも鉄骨フレームが採用され、大音量とクリアで輝かしい音色の実現が可能となり、ピアノ音楽の可能性がまさに広がってゆく時だった。 そんな中で、リストはベートーヴェンの交響曲全曲をピアノ用へと編曲する偉業を成し遂げた。それは、自身での初版楽譜への序文にもあるように、まさに音楽を探究する人生の糧となる仕事であっただろう。オーケストラの複雑な響きや楽器の音色をいかにして白黒の鍵盤だけで再現するか、という編曲のプロセスに芸術家としての大きな挑戦を見出し、「第九」という巨大な作品を二台のピアノで再構築して表現し、弾きこなすことは、大きな意味があったに違いない。そうして生まれたこのリスト編曲版は、超絶技巧と音楽表現力を備えたピアニスト2人を必要とする難曲である。我が国が誇るピアニスト清水和音と迫昭嘉が1995年に日本初演を果たして以来、我々がベートーヴェン=リストの大作を体験できる類まれなる傑作として、日本中に知らしめることとなった。

「リストによる序文」

ベートーヴェンの名前は芸術において神聖なものだ。彼の交響曲は現在、傑作であると広く認められている。知識を広げたり新たな作品を創作したりすることを真剣に望む者は、それらについていくら深く考察し研究しても決して無駄にはならない。このため、それらを広く普及させるあらゆる方法や手段には一定の価値があり、これまでに数多く出版されてきた編曲集も相対的な価値を欠くものではない。とはいえ、その大半は深い研究にとって本質的な価値がほとんどないように思われる。最も粗末な石版画であれ、最も欠陥のある翻訳であれ、それらは常に、たとえ不確かなものであれ、我々が知る最も不完全なピアノ編曲でさえ、巨匠の霊感の一端を示すのである。 近年のピアノの技術と機構の発展により、これまで以上に優れた成果を上げる可能性が開かれた。その和声的表現力の驚異的な発展に伴い、ピアノはあらゆる管弦楽作品をますます自らの領域に取り込もうとしている。7オクターブに及ぶ音域において、ごくわずかな例外を除き、最も繊細で深遠な音響創造のあらゆる特徴、あらゆる組み合わせ、あらゆる装飾音を再現し得るため、オーケストラに残された優位性は、音色の多様性と圧倒的な音響効果のみとなる――確かに、これらは計り知れない利点ではあるが。 これが、私が着手し今や音楽界に提示するこの作品における私の目的であった。これまで数多く出版されてきたピアノ編曲に、その型に倣ってただ一つを追加しただけならば、私はこれを時間の無駄遣いと認めざるを得ない。しかし、ベートーヴェンの作品の壮大な輪郭だけでなく、アンサンブルの完成に大きく寄与する無数の細部や小さな特徴までもピアノに移すことに成功したならば、私の時間は有意義に費やされたと言える。私の目的は達成されたと言える。それは、作品の精神を理解し、それによって偉大な巨匠たちの知識と美への感性の形成に貢献する、知性ある版画家や誠実な翻訳者と同じ水準に立つことである。

ローマ、1865 F. リスト(初版を翻訳)

[出典]

FRANZ LISZTS Musikalische WerkeHERAUSGEGBEN VON DER ERANZ LISZT-STIFTUNG
BERBEITUNGEN BAND Ⅱ
L. VAN BEETHOVEN, SYMPHONIEN Nr. 1-5
KLAVIERAUSZUG ZU ZWEI HANDEN
VERLAG von BREITKOPF & HARTEL in LEIPZIG u. BERLIN

【ペーター・ヤブロンスキー】

【清水和音】