ケマル・ゲキチ

驚くべき超絶技巧、
聴衆を釘付けにするカリスマ性を放つ鬼才!!

 


 

〜ショパン・コンクールでの衝撃〜

1985年、第11回ショパン国際ピアノコンクール(スタニスラフ・ブーニン優勝時)、ゲキチは第三次予選まで進みながら、そのあまりに強烈な演奏に審査が分かれファイナリストに選ばれず、これに抗議したゲキチを支持する審査員が次々に審査を辞退するという、前代未聞のセンセーションを巻き起した。ゲキチは聴衆からも圧倒的な支持を得、このことによりゲキチの名は一気に世に知られる事となる。

翌年、これも前代未聞、聴衆の強い要望によりショパン・コンクールと同じ会場、同じオーケストラで

‘幻の最終予選’としてゲキチは演奏を披露、ショパンのピアノ協奏曲第2番に続きアンコールはピアノ・ソナタ第3番全楽章、その圧倒的なピアニズムに聴衆は驚嘆し、今や伝説として語られる世紀のコンサートとなった。

 

〜世界各地での絶賛の声〜


ケマル・ゲキチは人間ではない… 
〜South Florida Classical Review〜

ケマル・ゲキチは天才カリスマ的な刃を突きつける。全く型にはまらず、賭に等しい。本能的な反応を呼び起こす理屈抜きの演奏家である。 
〜ボストン・グローブ誌〜

ホロヴィッツ以来の最も才能のあるピアニスト… 
〜ボストン・グローブ誌〜

歴史上のピアニストの中でも、特に卓越した数少ない一人である。
かつてリストがそう呼ばれたように、ゲキチはピアノ界のケンタウルスである。
〜Adrian Corleonis,Fanfare, USA〜

熱狂的に爆発するような壮麗なショー、これはもはや自然の法則を超越しているかのようだ、、、このうえなく魅惑的で我々を完全に支配してしまう。
〜Le Devoir, Canada〜

 

 

 

●プロフィール

ケマル・ゲキチ Kemal Gekic

"燃えさかるように"、"大胆に"、時には"挑発的に"、"エキサイティングな"、"繊細な"、、、これらは、聴衆にも批評家たちにも世界的な絶賛を浴びる現代最高のおそるべきピアニスト、ケマル・ゲキチを言い表すほんの一部の言葉でしかない。

1962年クロアチアのスプリットに生まれる。1歳半の時に既にピアノでメロディーを弾いてみせ家族を驚かせる。幼い神童は叔母のバトュリナ教授からピアノの手ほどきを受け、1978年ユーゴスラヴィアのノヴィサッド音楽院でミハイロヴィチのクラスに入学。1982年には史上最高得点でディプロマを取得、直ちにピアノ科の教員に採用され1999年まで務める。1981年リスト国際ピアノコンクール第2位、また1983年the Viana da Motta(リスボン)やユーゴスラヴィア・アーティスト・コンクール(ザブレグ)など多くの入賞を重ねる。

1985年に音楽院の修士課程を修了、同年、ショパン国際コンクールにて一大センセーションを巻き起こす。審査員の評価が分かれ本選に残れなかったものの、聴衆と批評家の心をつかみ、海外から多くの招待を受けるようになる。ハノーヴァーのショパン・ソサエティからは、ショパン・コンクールでの演奏に対し最優秀ソナタ特別賞を授与される。ショパン・コンクールでのゲキチの録音はその年だけでドイツで6万枚の売上を記録し、ビクターエンターテイメントよりリリースされた同CDは日本で8万枚を売り上げた。同年ワルシャワ・フィルの定期シリーズに招かれ、フィルハーモニック・ホールにてショパンのピアノ協奏曲ホ短調を演奏した。ショパン・コンクールの本選が行われた同じホール、同じオーケストラと共に彼はワルシャワの聴衆を驚愕させ、アンコールではショパンのソナタ第3番を通して演奏したという。

1985年のショパン・コンクール以降はドイツ、デンマーク、ポーランド、チェコスロヴァキア、ブルガリア、スペイン、フランス、イタリア、カナダ、そして母国のユーゴスラヴィアでの演奏活動の他に、ロシアや日本でのツアーも行った。ゲキチの演奏とその半生を綴ったドキュメント番組はRAIイタリア国営放送、ポルトガルテレビ、ユーゴスラヴィア・テレビ、NHK、ポーランドPOLTEL、RTV Lower Saxony West Germany(西ドイツ・ザクセンRTV)、USSR国営放送、インターヴィジョン、CBC、PBSで放映され、大きな反響を呼んだ。

1990年代に入るとゲキチは突然演奏活動から身を引き、より高いレヴェルへの到達をめざし集中的に練習へと打ち込む時期を迎える。この充電期間の成果の一つがリストの超絶技巧練習曲全曲の録音に表れており、このCDはゲキチの録音の中でも特に評価が高い。続いてナクソスからリリースされたリスト=ロッシーニのトランスクリプション(ウィリアム・テル序曲を含む)では、Penguin Guide to Musicからロゼッタ(Rosette)賞を授与された。ユーゴスラヴィア(VAI)、モントリオール(Palexa)と、また、ペンシルベニアのウィリアムスタウン国際ピアノフェスティヴァルでも、リストの巡礼の年第2巻の録音を行っている。

近年では世界中での演奏活動は更に広がり熱狂的な聴衆の支持を受け続けている。‘これまでどんなピアニストも到達したことのない境地へあえて踏み込む’これこそが彼のモットーである。ゲキチのリサイタルでは、決していわゆるスタンダードな解釈を目にすることはない。刃物のように鋭い音楽的感性、燃えるような想像力、一方で驚くほど正確な器用さ、幅広い色彩の音のパレット、そして深さを増す作品の精神的意味の解釈などにさらされた作品の真髄をまのあたりする。

ゲキチの演奏会では、たしかに聴衆はその超絶技巧に感嘆し、引きつけられ、圧倒し、楽しみ、釘付けにさせられる。しかし最終的には、作品が持つ精神的世界を伝えたいというゲキチの意図のもと、聴衆は忘れえない感動と衝撃を体験するのである。

 

●最近の日本でのコンサート評より

■2010年7月1日 東京都・武蔵野音楽大学ベートーヴェンホール■

全体が壮大なドラマのようだった。ベートーヴェン=リスト《運命》、シンフォニックかつ生々しい表情で聴き手を引きつけ、続くブラームスで深遠な森に誘う。…幽玄というよりロマン派の狂気にも似たゲキチの狂おしい打鍵と表現は、ブラックホールのようなスケール…      音楽の友 2010年9月号

■2009年10月26日 東京都・カザルスホール■

ショパンでは繊細な表現で内面的表情を浮かびあがらせた。《バラード》全4曲は繊細な情感、弱音や淡い音色感は秀逸、それと対照的な激しさも感じられた…リスト。ソナタは各主題間に起こるドラマのような劇的表現。各楽想は意志を持つような生彩さ、ときに激烈に駆け巡り、ときに柔らかなタッチで奏で、各主題の特徴が際立った…《コンソレーション》は安らかな天国的境地。   音楽現代 2010年2月号

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