〜2002年から現在まで〜
スウェーデンが誇る伝説のトロンボーン奏者、指揮者、作曲家であるクリスチャン・リンドバーグ。
世界の音楽界を変革し続けてきた彼の50年にわたる軌跡をたどるドキュメントの第二部をお届けします。
Part Iでは、1976年から2001年までの輝かしいキャリアの前半を振り返りました。そしてこのPart IIでは、2002年以降、リンドバーグがさらなる高みへと到達し、トロンボーン奏者の枠を超えて「マルチ・アーティスト」として世界中で圧倒的な存在感を放ち始めた時期からご紹介します。
ソリスト、作曲家、指揮者、プロデューサー、レーベル創設者としての多面的な活動のすべてを、年ごとに追いながら、その情熱と進化を感じてください。
2002年(44歳)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団およびシカゴ交響楽団にソリストとしてデビュー。いずれもスウェーデン人器楽奏者として史上初の快挙となる。同年、スウェーデン国王よりLitteris et Artibus(文化功労賞)勲章を授与される。
2003年(45歳)
トロンボーン協奏曲第1番《Mandrake in the Corner》が絶賛された後、シカゴ交響楽団より、スウェーデン系アメリカ人の詩人、カール・サンドバーグの詩に基づく一連の作品の委嘱依頼を受け、2003〜06年まで作曲を手がける。
2004年(46歳)
イエナ・フィルハーモニー管弦楽団との共演により、指揮者としてドイツにてデビュー。その後、ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団、デュッセルドルフ交響楽団、ニュルンベルク交響楽団、シュトゥットガルト放送交響楽団、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団、ザールブリュッケン歌劇場管弦楽団、グルツェニヒ管弦楽団などにも招かれる。
2005年(47歳)
スコットランド室内管弦楽団、オーストラリア室内管弦楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノのヴェルディ管弦楽団から大規模な新作委嘱を受ける。自身初となる作曲作品集(SACD ハイブリッド盤)がBISレーベルよりリリース。
2006年(48歳)
シカゴ・オーケストラ・ホールにて、自作《Chick-A-Bone Checkout》の世界初演を指揮。シカゴ交響楽団における、世界初演での14年ぶりのスタンディングオベーションという圧倒的な評価を受ける。
また、スペイン・バレンシアにて「クリスチャン・リンドバーグ国際ソロ・コンクール」が創設され、26か国から41名が参加。ドイツSWR交響楽団の首席トロンボーン奏者フレデリック・ベリが初代優勝者となる。
2007年(49歳)
自ら率いるノルディック室内管弦楽団を日本、韓国、中国、ドイツでの9公演により国際舞台へ導く。BISレーベルからのデビュー録音《Nordic Showcase》が世界的に高く評価される。
2008年(50歳)
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団に指揮者、作曲家、ソリストとしてデビュー。トロンボーン9本とオーケストラのための《Waves of Wollongong》(世界初演)とラウタヴァーラ交響曲第7番を共演。また、スウェーデン放送交響楽団とは《Chick-A-Bone Checkout》とアルヴェーン交響曲を、ミラノのヴェルディ管弦楽団とはティンパニ協奏曲(世界初演)とドヴォルザーク交響曲第9番を共演。作品集第2弾をBISよりリリース。
2009年(51歳)
ノルウェーのアークティック・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任(2019年まで)。スウェーデンおよび国際的にドキュメンタリー番組《Hat off for Christian Lindberg》が放送される。
2010年(52歳)
アークティック・フィルと共にサンクトペテルブルクのマリインスキー新コンサートホールにてチャイコフスキー交響曲第5番を共演。ロシアの著名批評家から高い評価を受け、14回のカーテンコールを記録。
2011年(53歳)
「アラン・ペッテション・プロジェクト」を始動し、ノールショピング交響楽団と共に交響曲全17曲の録音を開始。また、アークティック・フィルと共に中国ツアーを行い、チャイコフスキー交響曲第4番〜第6番の録音にも着手。
2012年(54歳)
ペッテションの交響曲第6番の録音がフランスのResMusicaより「ゴールデン・クレフ賞」を受賞。読売日本交響楽団との共演により、日本での指揮者デビューを果たす。
2013年(55歳)
自身の音楽事務所「Arabenne Art Events」を設立し、従来の国際マネジメント体制から独立。芸術活動の新たな地平を切り開く。
2014年(56歳)
ウィーン・ムジークフェラインにてチャイコフスキー交響曲第4番を指揮し、ウィーン・デビュー。スタンディングオベーションと共に高評価を受ける。ペッテションの交響曲第9番の録音が『グラモフォン』誌の年間批評家賞を受賞。作品集第3弾をオーデンセ交響楽団との共演でBISより(SACD)でリリース。
2015年(57歳)
クラシックFMより「史上最も偉大なブラス奏者」に選出される。イスラエルNKオーケストラと5年契約を締結(同国を代表するオーケストラの一つ)。
2016年(58歳)
国際クラシック音楽賞にて「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞(過去の受賞者にはシャルル・デュトワ、クリストフ・ペンデレツキ、エサ=ペッカ・サロネンなど)。
2017年(59歳)
アークティック・フィルとともに日本ツアーを行い、チャイコフスキー交響曲第4番〜第6番を共演。ノールショピング交響楽団とともにウィーン・ムジークフェラインでペッテション作品を披露し、絶賛とスタンディングオベーションを受ける。
2018年(60歳)
ロイヤル・コンセルトヘボウ・ホールでアークティック・フィルと共に指揮者デビュー。ズービン・メータ指揮によるベリオのトロンボーン協奏曲のツアー(イタリア、ドイツ、イスラエル)でソリストを務める。ロイヤル・リヴァプール・フィルとのバーンスタインの録音、「Bernstein on the waterfront」は各国30以上のメディアで高評価を受け、BBCミュージック・マガジンでは「驚異的なエネルギーと一体感を持った演奏」と評される。
2019年(61歳)
イスラエルNKオーケストラとともにスカンジナビアおよびスペイン・ツアーを実施。各地でスタンディングオベーションと好評を博す。フランダース王立フィルとの作品集第4弾(SACD)をBISよりリリース。自身初の交響曲《2017》も収録され、『ロンドン・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』で最高評価の5つ星を獲得。
2020年(62歳)
ペール・エグランドと共に新レーベル「EUROPEAN GRAMOPHONE」を設立。設立から2年間で各ストリーミングサイトで再生回数が3,000万回に迫る。
2021年(63歳)
台北交響楽団の指揮のために台湾を訪れ、パンデミック隔離期間中、ホテルの部屋内で人生11回目のマラソンを完走!
(※トレッドミルを使ったのではと思われる)
2022年(64歳)
パンデミック後の活動が再始動。ローランド・ペンティネンと共に日本を含む40周年記念ツアーを実施。ウクライナへのオマージュとして交響曲第2番《2022年》を作曲。ピエル・ルイジ・フェッランディーニ監督の映画『ペルココ』のために初の映画音楽を担当し、バーリ国際映画祭で受賞。
2023年(65歳)
ヨーテボリ交響楽団とのサンドストレム作曲トロンボーン協奏曲 第3番(自身133回目の協奏曲初演)でスタンディングオベーションを受ける。スペインADDA交響楽団(シューマン交響曲第4番)、リエパーヤ交響楽団(シベリウス交響曲第2番)、ルーマニア放送交響楽団(チャイコフスキー交響曲第5番/ブラームス「大学祝典序曲」)、ニュルンベルク交響楽団(チャイコフスキー「ロメオとジュリエット」)などとの録音を多数リリース。
2024年(66歳)
5つ目となる常任指揮者契約を交渉中(現時点では未発表)。録音、委嘱、新作の演奏など、世界各地でのプロジェクトがシーズンを通して予定されている。ローランド・ペンティネンと共にアメリカ9都市を巡る、延期されていた40周年記念ツアーを実施。
2025年、クリスチャン・リンドバーグは芸術活動50周年を迎える。
その記念すべき節目の年を祝う舞台として、彼が選んだのは、長年にわたり深いつながりを育んできた日本。
トロンボーン奏者として、そして指揮者・作曲家として度々来日し、多くのファンを魅了してきた彼が、50周年記念コンサートを日本で開催することは、まさに素晴らしいことだ。
これまでの50年を祝福し、これからの未来を切り開く――
その瞬間を、ぜひ日本で、共に迎えましょう。