ジョン・リル

1970年チャイコフスキー国際コンクールの覇者

崇高で率直な表現

英国の巨匠が描き出す真実のピアニズム

70歳を迎えるアニバーサリー・イヤー2014年に再来日決定!!

 

 

 

 

  • 最近のコンサート評より

 

“リルの指のもと音楽は生命をもつ…すべての音は意味を持ち、雄弁に訴えかける…”

(The Sun Break)

“世界を見渡してもリルに匹敵する高潔なピアニストを挙げることはできない。卓越した演奏。知の巨人であり、熟練の職人。もはや言葉を超越している” 

(The Glasgow Herald)

 

“畏しいほどすばらしく、信じ難いほど途方もない…圧倒的だ”

(Pianist Magazine)

 

“我々が望み得る完璧にもっとも近いピアニスト”

(The Guardian)

 

■2012年1月31日・東京文化会館<小>■

 

現代社会の目まぐるしさや攻撃的な人工音とは無縁の、ナチュラルで人間味のある音の世界へと聴く者を誘う…鮮やかな律動性と明確なアーティキュレーションにより、彼はこの作曲家(ベートーヴェン)の孤高の境地を表出してゆく。音の粒立ちは実に美しく、細部にわたり考え抜かれたピアノであった…《熱情》は、全体を通して一貫したテンポ感を持たせ、前半より音響も増幅させ、壮大なドラマを形成した。すでに60代後半のリルであるが、瑞々しく、洗練されたピアニズムを堪能できた。(音楽の友 2012年3月号)

 

たくましく大柄な身体を駆使し、重厚で量感に富んだベートーヴェンを語り継いでいく彼のアプローチは、折目正しく格調の高い表現のアウト・ラインの把握もが目を惹く内容であり、非常にベートーヴェンらしいベートーヴェンを聴いたという実感を与えてくれた。(ムジカノーヴァ 2012年5月号)

 

 

  • プロフィール

ジョン・リル John Lill

 50年以上に及び世界の第一線で活躍するピアニスト。幼い頃からその才能を発揮し、9歳にて最初のソロリサイタル、18歳でラフマニノフのコンチェルト3番をエイドリアン・ボールト指揮で演奏、続いて、ベートーヴェン『皇帝』でロンドンフェスティヴァルホールにてロンドンデビュー、絶賛を浴びた。1970年チャイコフスキー国際コンクールにて第1位獲得し、一躍脚光を浴びる。

 世代を代表するピアニストのひとりとして不動の地位を獲得、50を超える国でリサイタル他、ソリストとして世界のトップオーケストラとの共演多数。アムステルダム、ベルリン、パリ、プラハ、ローマ、ストックホルム、ウィーンなどのヨーロッパ各地、ロシア、アジア、オーストラリアなどで演奏。またアメリカでも、クリーヴランド管、ニューヨーク・フィル、フィラデルフィア管、ダラス響、ボルチモア響、シアトル響、ボストン響、ワシントン響、サンディエゴ響などへ客演。

 70を超える協奏曲をはじめ幅広いレパートリーを誇る。なかでもベートーヴェンの解釈では評価が高く、イギリス、アメリカ、日本でソナタ全曲演奏会シリーズを開催。イギリスではBBCプロムナード・コンサートに30回以上出演。ロンドン響、ロンドン・フィル、BBC響、バーミンガム響などと協演する。

 最近では、インディアナポリス響、イエテボリ響、ロッテルダム・フィル、ロイヤル・ストックホルム・フィル、チェコ・フィル、ロンドン・ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのリサイタルも予定している。

 ドイツ・グラモフォン、EMI(ベートーヴェンピアノ協奏曲全曲/アレクサンダー・ギブソン指揮王立スコットランド・オーケストラ)、ASV[指揮バーミンガム市交響楽団]などがある。

 マルコム・アーノルドの『ジョン・フィールドのテーマによるファンタジー』(ヴァーノン・ハンドリー指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団)はリルに献呈され、録音も行っている。またラフマニノフの協奏曲全曲・ソロピアノ作品をニンバスレコードからリリース。60歳記念としてシューマン作品(Pleasure)、またシューマン、ブラームス、ハイドンのソナタの2枚をシグナムレコードよりリリース。

 イギリスの大学から8つの名誉博士号を授与、また有数の音楽大学、アカデミーから特別奨学金を授与されている。音楽への貢献に対し1977年、2005年大英帝国勲章を授与される。

 70歳の記念年である2014年は、イギリスにてベートーヴェンのソナタ全曲シリーズほか、モスクワ、北京、ウィーンなどでベートーヴェンのコンチェルト、またバースデーコンサートとしてロイヤル・フェスティヴァル・ホールにてロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とラフマニノフのコンチェルト第3番を共演、その模様はBBCラジオにてライブ放送されるなど、更なる活躍をみせている。ロンドン在住。

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