イギリス人史上初のウィーン・フィル首席奏者
“まさに離れ技。音楽づくりのエッセンスを的確にとらえ、「トロンボーンであったら難しいだろう」などという考えは微塵も起こさせない・・・恐ろしいほど難しいパッセージさえも、おもちゃで遊ぶ猫のように軽やかに奏で、呆然とさせられる・・・ (Chris Thomas, British Bandsman magazine)
イアン・バウスフィールド Ian Bousfield
1964年、イギリス ヨーク生まれ。イギリス北部の名高いブラスバンドの伝統に囲まれ幼少期を過ごす。父より楽器の手ほどきを受けた後、ロンドン交響楽団ダドリー・ブライトに師事。14歳から18歳までヨークシャー・インペリアル・バンドに所属し、数々のブラスバンド選手権で優勝するなど輝かしい成績を誇る。
1979年15歳の時、ロンドン交響楽団シェル奨学金を獲得、オーケストラ奏者としてのキャリアを開始する。16歳でC.アバド指揮EUユース管弦楽団に参加。ギルドホール音楽院で短期間学び、83年ハレ管弦楽団首席奏者に就任。ドウダン在籍中にガンサー・シュラー作曲「アイネ・クライネ・ポザウネムジーク」をシュラー自身の指揮で初演。1988年、師であるデニス・ウィックに代わり、ロンドン交響楽団の首席奏者に就任。12年間在籍し、ソリストとしても数多く演奏。「スター・ウォーズ」「ブレイブハート」など映画音楽の録音にも参加。
2000年、ウィーン国立歌劇場管弦楽団/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団首席奏者に就任、唯一のイギリス出身者という快挙であった。
ソリストとしても、ウィーン・フィル、ロンドン響、ロンドン・フィル、BBC響、オースティン響、札響などに客演。指揮ではR.ムーティ、M.ティルソン=トーマス、N. マリナー、K. ナガノ、M.バーメルト、尾高忠明らと共演。ソロ録音ではEMI、カメラータ、シャンドス、Doyenよりリリース。
2008年、ニーノ・ロータのコンチェルトを、R.ムーティ指揮/ウィーンフィルとともに、ウィーン、ルツェルン、東京で演奏。またバウスフィールドに献呈されたジョナサン・ダヴ「Stargaze」をティルソン=トーマス指揮/ロンドン響で世界初演を行うなど目覚ましい活躍をみせる。
1992年よりロンドン王立音楽院教授として後進の指導にあたっていたほか、世界中から指導者として多くの依頼があったが、ベルン芸術大学よりオファーを受けたことにより、イアンはスイスを新しい拠点として、指導に集中することを決めた。彼の生徒たちは、第1級のオーケストラの上席にいるなど、世界中で大成功を収めている。
最近のプロジェクトは、ニュー・ワールド・シンフォニー、ベルン交響楽団などのブラスセクションとともに、指揮者として、またソリストとして活発な活動を行っている。
●実践ビデオ教材
オフィシャルサイトで視聴できます。
http://www.ianbousfield.com/teaching-videos/
(Ian Bousfield HP→Teaching Videosをクリック)
バウスフィールド氏からのメッセージ
これらのティーチングビデオ(実践ビデオ教材)は、あくまでガイドラインに過ぎないことを覚えておいて欲しい。とは言っても、これらは何十年にもわたる研究、調査のもとに頭を捻らせてきた成果であることも確かだ。これを見れば、 私自身が実践しているやり方を分かってもらえると思う。そして、覚えていて欲しい- テクニックとは音楽の中の感情を表現する手段でしかないんだ。もしテクニックだけに気を取られてしまうと、いつも何かを見失ってしまう...そう"音楽"をね!
これらが皆さんの何らかの役に立つよう願います。一方で、忘れないで下さい。 これらの方法が皆さんひとりひとりに適応するかどうかは、また別の問題です。皆さんが今どんな発展の途中の段階にいるかは分かりませんが、そこが教えることの芸術的価値が生まれるところなんです。