トーマス E. バウアー

甘美で伸びやか、驚異の幅の広い声域、

正統派ドイツ・リートからオペラまで、

著名指揮者からの信頼も厚い多才なバリトン

Thomas E. Bauer
Photo: Marco Borggreve


トーマス E. バウアー(バリトン/ドイツ) Thomas E. Bauer, Baritone

トーマス・バウアーは最も人々を魅了する声楽家の一人だと批評家、聴衆から絶賛されている。数々のオーケストラとの共演のコンサート評では、“真の力強さ” “際立って正確な発声法、強く心を動かすような、そして素晴らしく美しく響き渡るバリトンのサウンド” (Opernglas) と絶賛された。

コンサート声楽家としては、ボン・ベートーヴェン音楽祭に客演し、ベートーヴェンの連作歌曲「遥かなる恋人に」、シュトゥットガルトのMusik Podium Festivalではメンデルスゾーン「聖パウロ」を歌唱、そして名古屋フィルハーモニー交響楽団、Chorwerk Ruhr、アンサンブル・ピグマリオン、アニマ・エテルナと共演。ブリュッセルのPalais des Beaux-Arts BOZARではアーティスト・イン・レジデンスとしてコンサート・シリーズに登場。ベルナルト・ハイティンク指揮ボストン交響楽団、ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、ズービン・メータ指揮ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ヘルベルト・ブロムシュテット、リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ワシントン・ナショナル交響楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団と共演。ロジャー・ノリントン、イヴァン・フィッシャー、ジョン・エリオット・ガーディナーなどの卓越した指揮者とも共演している。

最近では、インゴ・メッツマッハー指揮でシューベルトのラザロをザルツブルク音楽祭で、またシェーンベルクのヤコブの梯子をベルリン・フィルハーモニーで演奏し、更にはエイプフィルハーモニー・ハンブルクの開館式典でケント・ナガノ指揮による世界初演となるイェルク・ヴィトマンのオラトリオ「ARCHE」を歌唱した。

歌曲でもたくさんの成功を収めており、フォルテピアノのスペシャリスト ジョス・ファン・インマゼール、ピアニスト兼作曲家のキット・アームストロングとも頻繁に共演しており、ベルリン・コンツェルトハウス、バイエルン放送などではアームストロングのバッハ作品編曲集を特集したリサイタル・シリーズを開催している。オペラでは、ミラノ・スカラ座でベルント・アロイス・ツィンマーマン「兵士たち」(演出:アルヴィス・ヘルマニス、指揮:インゴ・メッツマッハー)を歌唱し、高い評価を得た。世界初演となるオペラ作品も数多く歌っており、シュナイダー・ショット音楽賞を受賞。また、ポーランドの作曲家クシシュトフ・ペンデレツキとのコラボレーションも多い。

CDでも数々の賞を受賞している。最新の受賞作は、イェルク・ヴィトマンのオラトリオ「ARCHE」、バッハのクリスマス・オラトリオなどがある。

幼少期はレーゲンスブルク大聖堂聖歌隊として音楽教育を受け、ミュンヘン音楽・演劇大学にて声楽を学んだ。ブライバッハのコンツェルトハウスの講堂の創立者としても活躍し、この講堂は2014にオープンし、傑出した建築で、素晴らしいコンサートが開催されている。

一覧に戻る