ベルリン・フィル vs ウィーン・フィル
世界最高のオーケストラのトップ奏者による夢の競演!!
ベルリン・フィル、ウィーン・フィルの主力メンバーが贈る
最高峰の響き
ベルリン・フィルの花形トランペッター2名と低音の要、テューバ奏者に加え、ウィーン・フィル伝統の響きを支える名手2名が、オーケストラの垣根を越えて集結。2012年2月の来日では、金管楽器を越えた極上のアンサンブルに聴衆は驚嘆し、酔いしれた!
■2012年2月6日・東京文化会館<小> コンサート評より■
世界二大オーケストラの金管楽器の競演が聴けるということで、満員の会場のあちこちでプロ奏者の顔を見ることができた…前半は各メンバーが一人ずつソロ曲を吹き、水準の高い演奏を堪能することができた…その後は五人全員が登場し金管五重奏の定番曲のステージに。予想以上に素晴らしいものであり、よくある金管五重奏の世界ではなく、音楽家5人による室内楽の世界がそこにはあった。西洋音楽の根底にある和声感の生理に基づいた彼らの音楽づくりにはただただ脱帽。テクニックやサウンドに注意が向きがちなこのジャンルに新しい風を吹き込んでくれたと言っていいだろう。アンコールでは、彼らの十八番であるポルカやクライスラーの小品が披露され、最後まで満員の聴衆を存分に楽しませてくれた。再来日を期待したい。
バンドジャーナル 2012年4月号
名手らの独奏による妙技を堪能した後、金管アンサンブルを愉しむといった心にくい構成である。むろん個々の卓抜した技量とともに見事なまでの柔軟な楽器のコントロールも聴かれたが、けっして技巧的華麗さに片寄らない。アンコールでのシュトラウスなどによるウィーン流もてなしも絶品。聴くほどに味わいが増した垂涎の演奏会。
音楽の友 2012年4月号
ウィーン=ベルリン・ブラス・クインテット Wien=Berlin Brass Quintett
◆ メンバー◆
トランペット:
ガボール・タルケヴィ Gábor Tarkövi(元ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席奏者)
ギヨーム・イェル Guillaume Jehl(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席)
ホルン:
トーマス・イェプストル Thomas Jöbstl(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)
マーク・ガール Mark Gaal(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)
アレクサンダー・フォン・プットカマー Alexander von Puttkamer
(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
ガボール・タルケヴィ Gabor Tarkoevi / Trumpet
1969年ハンガリーのエステルゴム生まれ。代々の音楽一家に生まれる。ピアノとクラリネットを習ううちに、トランペットに魅せられ、9歳で父イシュトヴァーン・タルケヴィに手ほどきを受ける。早くからオーケストラ奏者を目指すほどトランペットに打ち込むようになる。ジェール音楽学校、フランツ・リスト音楽学校に学び、続いてフランツ・リスト音楽院を卒業。ジェルジ・ガイガー、ハンス・ガンシュ、ジェルジ・クルターグなどに師事し、大きな影響を受ける。ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団副首席奏者、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団首席奏者を経て、1999年バイエルン放送交響楽団の首席奏者となる。2004〜2019年はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席奏者を務めた。2018年よりベルリン芸術大学で教鞭を執る他、現在はソリストとして活動中。
プロ・ブラス、オーストリア・ブラス・コネクション、ウィーン=ベルリン・ブラス・クインテット、ベルリン・フィル ブラス・トリオなどのアンサンブルのメンバーとしても活躍。 ソリストとしてもヨーロッパ、アメリカ、アジアなどで多く出演しており、ベルリン・フィル、ミュンヘン・バッハ管、バイエルン放送響室内管、中国フィル、バッハ・コレギウム・ミュンヘン、新日本フィル、名古屋フィル、ロンドン響などと共演。
これまでにスイスのTudor Classicsより4枚のCDをリリースし批評家から絶賛されている。
ギヨーム・イェル Guillaume Jehl / Trumpet
8歳でフランスのアルザスでトランペットを始める。ミュルーズ音楽院を卒業後、パリ音楽院を首席卒業。1998年、ボルドー・アキテーヌ管弦楽団第2トランペット奏者に就任。その後、2000年にフランス国立管弦楽団の第2奏者、2001年には、バーゼル交響楽団のソロ・トランペット奏者、2006年には、フランス国立管弦楽団のソロ・トランペット奏者を経て、2009年に、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団に入団。2018/19年シーズンより首席。近年は、バーゼル交響楽団、フランス国立管弦楽団のソリストとして出演する他、室内楽奏者としても活躍している。
トーマス・イェプストル Thomas Joebstl / Horn
1978年ヴォルフベルク生まれ。ウィーンの音楽大学にて、ローランド・ベルガー教授の元で学ぶ。1992年ウィーン楽友協会にソリストとして出演。1997年ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団の首席奏者に就任。1999年にはBunkamuraオーチャードホール賞を受賞。2000年よりベルガー教授のアシスタントとして後進の指導にあたる。2001年よりウィーン国立歌劇場管弦楽団第2ホルン奏者として活動。その他、ソリストとして、また室内楽奏者として楽団で活動し、ウィーン・ホルン・アンサンブルやウィンナ・ホルンズの創立メンバーでもある。2004年より、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団団員。
マーク・ガール Mark Gaal / Trombone
1978年ウィーン生まれ。7歳の時にテナーホルンの手ほどきを受け、ほどなくトロンボーンを学びはじめた。1992年よりグラーツの音楽・舞台芸術大学のオーバーシュッツェン研究機関で研鑽をかさね、在学中にウィーンの有名オーケストラとコンサートツアーをするなど若い頃から頭角をあらわし、2000年に卒業。2002年ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団に入団し、2007年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団でロータリーバルブ・トランペットを演奏しはじめている。2012年以来ウィーンフィルのバストロンボーン奏者。また、ウィーン音楽大学で後進の指導にもあたり、日本でも、札幌で開催されるパシフィックミュージックフェスティバル(PMF)など、マスタークラスの講師を務める。
フィル・ブレッヒ・ヴィーン、ウィーン・トロンボーン・アンサンブル、プロ・ブラスなどアンサンブルや、さらにジャズバンドへも参加するなど活動の場は広範囲にわたり、ブラスバンド作品の編曲もこなすアレンジャーでもある。
アレクサンダー・フォン・プットカマー Alexander von Puttkamer / Tuba
当初はトランペットを希望するが、地元の音楽学校にトランペットの空きは無く希望は叶わず。そこへ、家族ぐるみの友人であったテューバ奏者からテューバが与えられる。プットカマーはこの楽器をすっかり気に入り、それ以来テューバ一筋。早くからドイツ連邦青少年管弦楽団、ユンゲドイツフィルハーモニー、EUユース管弦楽団などの多くのユースオーケストラにて活躍。ハンブルク音楽演劇大学にてワルター・ヒルガースに師事した後、1996年ハンブルク北ドイツ放送交響楽団に入団。1998年〜2004年バイエルン国立管弦楽団、2004-2007年バイエルン放送交響楽団を経て、現在ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団メンバー。1999年以来、バイロイト祝祭管弦楽団メンバーとしても活躍している。