ガボール・タルケヴィを知ろうパート2「トランペットの道」

 

ガボール・タルケヴィを知ろうパート2をついに公開!

前回のテーマ「幼少期」はいかがでしたか?

今回はジェルジ・ガイガーに出会ってからのお話。彼が使う楽器についてと、もう一人の師匠ハンス・ガンシュ*との出会いを紹介します!

 ダリン:ガイガーの元では何を学びましたか?

 ガイガーとは音階、アーバン教則本の練習のほかに、バロック、クラシック**、ロマン派、現代音楽の練習をしていました。

 ハイドン、ヴィヴァルディ、フンメルの音楽を練習することが多くありました。

 ただピッコロトランペットはやりませんでした。ガイガーはピッコロトランペットが好きではなかったからです。私はこの頃D管とEs管をよく吹いていました。テレマンやレオポルト・モーツァルトの高い音を出す作品はそれほどしてはいませんが、バロック作品を使ってフレージングの練習していました。
 家ではクインケのメソッドブックや「デヴィッドソン:トランペットの技法」で練習をしていました。

 ガイガーはピストントランペットとロータリートランペット、どちらを使っていましたか?

彼はピストン式を使っていました

 という事は、あなたもピストントランペットで習っていましたか?

 彼のもとではピストンを使っていましたが、初めてのトランペットはボロボロのロータリーでした。中学生になってからは6歳上の兄からもらったヴィンセント・バックのトランペットを使っていました。

 ロータリーに変えたのはいつですか?

 1991年のヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団にいた時までピストンで、1993年にベルリンフィルに入団してからロータリーに変えました。

 マウスピースは何を使っていますか?

 ロータリートランペットを使う時はヤマハの15E4とブレゼルマイヤーを使っています。

 ピストンの際も、簡単な作品の時はロータリーと一緒です。ジョリヴェ、トマジ、ジマーマンのような難しい作品を演奏する時はマウントバーノンバック ヴィンテージTpマウスピース1-1/4Cのブレゼルマイヤーコピーを使っています。

 楽器は何を使っていますか?

 オーケストラではシャーゲルのロータリーとフリューゲルホルンを使ってます。たまにShilke Es管とピッコロも使います。

 少し話題を変えて、次はハンズ・ガンシュとの出会の事を聞かせて下さい。彼とはどのように出会ったのですか?

 ベルリン交響楽団での仕事が始まってまもない時、私がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を見に行った時でした。リヒャルト・シュトラウスの「家庭交響曲」を演奏していて、ここで初めて彼の演奏を聴いて感激しました。

 演奏が終わった後、彼に挨拶へ行きました。すると、「ホイ、『レオノーレ』序曲第3番を吹け」とトランペットを渡してきたのです!私がその場で吹くと、そのままパブへと連れて行かれました。その時パブで、ウィーンフィルで一緒に吹かせてほしいとお願いしました。了解をもらって10回ほど演奏の機会ができました。この経験でアーティキュレーションが鍛えられたと思います。

ハンス・ガンシュ

 その後、私は彼ともっと仲良くなり、やがてプロ・ブラス(ハンズ・ガンシュのグループ)のメンバーとなりました。私は彼に頼ってばかりで、よく彼にアドバイスを貰いにいきますし、人生の悩みも真っ先に相談します。ハンス・ガンシュはとっても偉大な方です。

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いかがでしたでしょうか!

 ハンス・ガンシュとの出会いは衝撃的🤯ですね。ガンシュ兄弟は揃いも揃ってこんな性格なのでしょうか…

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*ハンス・ガンシュ(Hans Gansch、1953年-)オーストリア出身のトランペット奏者。1974年、リンツ・ブルックナー管弦楽団の首席トランペット奏者となる。1976年まで務めた後、1982年まではオーストリア放送交響楽団の首席トランペット奏者、1982年からウィーン国立歌劇場とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のトランペット奏者となり、1985年からはウィーン・フィルの首席となる。逸話として、引退した後もたまに楽器を吹くが、練習不足によって「クソみたいな音しか出ない」からあまり吹かないと語っているという。ムノツィル・ブラスのトーマス・ガンシュの兄。
**原文「Classical」。マスターピースという意味合いだと想像される。
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